トウモロコシ売り場の店員さんにほっこりした話
妹がスーパーに行った。
きっとあなたの街にもあるだろう、大手チェーンのスーパーだ。
食品売り場で、今が旬のトウモロコシを買おうとした。
我が家ではその日が初物だった。
するとちょうどトウモロコシを並べている店員のお兄さんがいた。
何本か選んで取りたかったそうだが、
お兄さんが一生懸命並べていてなかなか手が出せない。
そこで彼女はいっそのことお兄さんにとってもらおうと考えた。
妹「すみません、トウモロコシを買いたいのですが、おいしいの選んでくれますか?」
するとお兄さん、美味しいトウモロコシの選び方についていろいろ話してくれ始めたそう。
お兄さん「トウモロコシはヒゲの本数と粒の数がおんなじで🌽🌽🌽……」
(以下、どんなトウモロコシが美味しいか、たくさん教えてくれたらしい。
でも、すべて忘れたらしい😅ここが一番知りたいところなのに😂)
お兄さん「これとこれ、これなんかはどうですか?」
妹「おー!!ありがとうございます!」
お兄さん「僕、お客さんと話をすることがすごく好きなんです。
でもなかなかこちらから話しかけられないし、お客さんも話しかけてはくれなくて…。
だからこうやって聞いてくれるととてもうれしいんですよ!ありがとうございます!!」
そうやって買ってきてくれたトウモロコシはとても甘く、もちろんとても美味しかった。
妹はまたそのスーパーに行ってお兄さんにお礼を伝えてあげようと言っていた。
それがさらに彼のモチベーションアップに繋がったらどんなに良いことだろう。
これぞ“win-win”の関係性。
おかげさまでわたしもおいしいトウモロコシにありつけた。
「いいことしたね」と妹を褒めた。
そして。
ありがとう、お兄さん😊💖
withコロナの生活になるずっと以前から、わたしたちは「お店の人との会話」をしなくなった。
買い物といえばなんでも揃うスーパーの方がラクチンで、
馴染みの八百屋さんに行くことはほぼないし、
今日のおすすめや調理法をお客さんに話している昭和の八百屋のオジサンを
令和で見かけることはなくなった。
そもそも都会では街の八百屋さんがどんどんと姿を消している。
大手スーパーの野菜売り場の店員さんはそこで働く”一つ”のピース(”1人”ではない)
としての存在でしかなく、
この人がどんな知識を持っているとか、
人と話すのが好きというパーソナリティを持ち合わせているとか、
そんなことは考えたこともない。
わたしたちには決めた予算があるんだから、変に話しかけられて断れなくなったら予算オーバーしてしまう。
スーパーは余計な話はせず、必要なものを買って帰ってくる場所。
店員さんはそこで働くただのピース。
あなたの日常を支えている、名も知らぬただのピース。
スーパーで働く店員さん全員が彼のような人とは限らない。
むしろ彼は珍しいタイプだろう。
でもほんのちょっとのきっかけや声かけで、
あなたはお得情報をゲットできるかもしれないし、
店員さんはヤル気をゲットできるかもしれない。
マスク越しの一瞬のふれあいがこのコロナ禍に少しでもあると、
わたしたちはこの辛い日常を乗り超えやすくなっていくだろう。
緊急事態宣言が解除されるまであと一週間。
解除されてもまだ続くであろう緊張を強いられる日々の中で、
人とのふれあいは大きな喜びを生む。
日常を豊かにしてくれる些細な一瞬の出会いの積み重ねを
今日も、丁寧に大事に、していこう。