真正ラベンダーと化学
先週の記事続きです。
今回は具体的に「真正ラベンダー」の成分を一緒に見てみましょう。
真正ラベンダー(学名:Lavandula augustifolia)はなんと300種類以上のもので構成されていますが、典型的な真正ラベンダーの主な芳香成分は
①エステル類:酢酸リナリル40-45%
②モノテルペンアルコール類:l−リナロール30-45%、テルピネン−4−オール5%、ラバンジュロール微量
③セスキテルペン炭化水素類:β−カリオフィレン5%
④モノテルペン炭化水素類:β-オシメン5%、α−ピネン微量、3−カレン微量
⑤オキサイド類:1.8シネオール微量、リナロールオキサイド微量
と、ちょっとよくわからない言葉がいっぱいですが、カンタンに言うと、真正ラベンダーの香りを主に作っているのが①、②の化学成分です。
この①、②の主な効用は、落ち着く作用や痛みの緩和、があるので、ラベンダーといえばリラックス。
というのも気のせいではなく、ちゃんと科学的に証明ができています。
ちなみに真正ラベンダーは不思議な精油で、少量ではリラックスになるのですが、多く使うと逆に興奮してしまうこともあるのです。
そして、気をつけていただきたいのは上記の成分はあくまで「真正ラベンダーLavandula angustifolia」であって、他のラベンダースパイク(学名: Lavandula spika)や、ラバンディン(学名:Lavandula hybrida)などはまた別の成分で、効用も変わってきます。
ちなみに、成分は育てられた土地、その時の天候、その他の色んな条件によって%が変わってきます。
例えば、人気の南フランス産の真正ラベンダー①の成分が40%のときもあれば、45%のときもあるのです。
これってお野菜と似ていますよね。精油は植物。自然界からの贈り物で、全く同じものは出来上がることはありません。この点も、わたしが20年以上本物のアロマセラピー精油に魅了されている理由の1つです。
先週と今週はちょっとむずかしい言葉も出てきましたが、お読みいただきありがとうございました。来週はもっと軽く読める記事にしようと思いますが、アロマセラピーのこんなこと聞きたい♪とか知りたい!とかありましたら、教えてくださいね。
それでは、今週もあなたにとって素晴らしい一週間となりますように!
★オマケ★
↓真正ラベンダーの成分をカラーグラフにしたのがこんな感じ。
↓ちなみにローズマリー(Rosemarinus Officinalis)の成分をカラーでみるとこんな感じで、ラベンダーの色と違うのがわかりますね。
参考図書
- 精油のブレンド学, 中村あづさアネルズ著
- Essential Oils in Colour Caddy Classic Profiles, Rosemary Caddy著
- The Complete Guide to Aromatherapy, Salvatore Battaglia著
- The Encyclopedia of Essential Oils, Julia Lawless著