連載コラム:朔旦之辞「八月朔日」

いよいよ暑さも本格的になり、夏本番の8月がやって来ました。
7月28日の「土用の丑」の日には、皆さんおいしいうなぎを心ゆくまで堪能されたことでしょうね。

8月の和風月名は「葉月(はづき)」。まだまだ夏真っ盛りですが、旧暦では7月が既に初秋ですから、8月といえばもう「仲秋」。葉が落ちる月である「葉落月(はおちづき)」が転じて「葉月」になったという説が有力です。他にも稲の穂を張る月、すなわち「穂張り月(ほはりづき)」が転じたという説や、冬鳥である雁がその年初めて訪れる月であることから「初来月(はつきづき)」を略して「葉月」と呼んだ説などがあります。

ただ実際のところはこれからが本格的な暑さの到来。日差しを避けて木陰に涼を求めるから「葉月」…と解釈したほうが現実的かもしれません。

そして本日8月1日、即ち「八月朔日」は、柑橘類の一種である「ハッサク」の語源であることを皆さんご存知でしたか?

ハッサクは本来12月から2月頃にかけて収穫され、さらに約1~2ヶ月の間冷暗所に貯蔵して酸味を抜いた後出荷されます。つまりハッサクが私たちの家庭にお目見えするのは、3月から4月にかけてなんですね。
では何故「8月1日」を意味する「八朔」という名前がつけられたのでしょう?

ハッサクは、江戸時代に広島県因島の浄土寺で偶然発見されたとのこと。
当時の浄土寺の住職が、何を思ったか「八朔の頃には食べられる」と言ったことがこの名前の由来だと言われています。

もちろんこの時期には果実はまだ小さく、食用には適さなかったのは言うまでもありません。実際に食べた人たちはさぞかし酸っぱかったことでしょうね。

 

またこの頃は、ちょうど稲穂が実り始める大切な時期。各地で豊作祈願の祭りを行うようになり、「田の実り」を願うので、「田の実の節句」とも呼ばれるようになりました。全国各地で行われる「八朔祭」は特に西日本では有名です。

そしてその「田の実」が「頼み」に転じ、八朔には様々な贈答の風習も生まれたようです。京都ではこれが「中元」の由来とも言われていますね。

やはり日本の風習や習俗は、自然の法則がその起源になっているということを、毎月のように感じさせられますね。

八朔祭りの山車で引き回される大造り物

ちなみに今日、「八朔」は、徳川家康が江戸城に入城した日でもあります。のちにこの日は「八朔の祝賀」と呼ばれ、毎年八月一日には、大名・旗本が江戸城に出向き、祝辞を述べる「江戸御打入(おんうちい)り」が習わしとなったそうです。なんでもこの日は登城した大名や旗本の他、大奥も全員が白づくめの姿で祝ったそうです。最盛期で3000人とも言われる大奥の女性が全員、白い衣装をまとった景色はさぞかし荘厳だったことでしょう。

さて、時を現代に戻してみましょう。

開幕までにいろいろあったこともあり、静かに開幕した『東京2020オリンピック』ですが、1週間が経過し、連日の日本選手の大活躍に声を枯らしている方も多いのではないでしょうか?

私が注目していたのは、学生時代に青春のすべてを費やした「柔道」。
毎回、メダルの期待が高い柔道ですが、今大会は期待以上の結果を残してくれました。
昨日行われた今回初採用となった「男女混合団体」はフランスに敗れ惜しくも銀メダルに終わりましたが、
今大会で日本選手全体が獲得した金メダル総数17個(7月31日時点)の内、柔道でなんと9個を取ってくれました!
中でも祝福の声が一段と高くなってしまうのが「阿部兄妹」。
オリンピック史上初の「兄妹同日金メダル獲得」は、それを決めてくれた瞬間思わず涙が噴射してしまいました!😂😂😂

本当におめでとう!そしてありがとう!

今、このオリンピックでメダルを獲得した選手を「ISD個性心理学」的に検証しているところです。途中経過ではありますが、なかなか面白いデータが出てきていますよ。
例えば…柔道金メダル獲得者9名の内、8名が「目標指向型」であること、本来【成果】や【完結】の時に金メダルを取ることが予想されるのに、今回はそれが1人もいなかったこと、金メダル獲得者の「リズムの本質」に偏りがあること…等々。

本来2020年に行われはずだったオリンピックが、1年ずれたことで選手のリズムに何か変化が起こったのか、ポールシフトが起きていることで、これまでのセオリーが通用しなくなったのか…

またこの分析結果は別の場面で皆さんにご披露したいと思います。乞うご期待…

それと…東京の新型コロナウィルスの陽性患者数が遂に4,000名を超えたというニュースが飛び込んで来ました。
今は我慢の時です。家でオリンピックでも観ながら災いが去るのを待ちましょう。
「禍福は糾える縄の如し」…陰陽は順番にやってきますよ。
もう少しの辛抱です。

今月の一言

最後に、「今月の一言」で締めたいと思います。
これは偉人たちや、今を生きる経営者などが残した名言をご紹介するものです。
日々の生活のちょっとしたヒントになれば幸いです。

今回はこの言葉でお別れしましょう。

信じられないことは
信じることから
生まれる

八村 類

この東京オリンピックでも大活躍のバスケットボールの八村 類選手。
日本人選手がNBAの1巡目の指名を受けるなんて、だれが想像したでしょう。
今オリンピックでも、1試合34得点と獅子奮迅の活躍で、
信じられないことをどんどん実現させている八村選手。

でも、信じられないことも、まずは「信じること」から。

信じることで「いま」が造られている。

そんなことを八村選手が教えてくれているような気がします。
みなさんもまず自分を「信じる」ことから始めてみましょう!
信じられないような明日が待っているかもしれませんよ。

今月も皆さんにとって素晴らしい月でありますように!

一面 俊明

コラム執筆者 Contributors

一面 俊明 Toshiaki Ichimen

一般社団法人 ISD個性心理学協会  初代会長

1959年5月8日東京に生まれる。
1982年3月 早稲田大学政治経済学部を卒業。
1995年に『ISD個性心理学』の前身である「個性学」に出会い、立ち上げチームの一員としてこの学問の普及に尽力。
2003年2月 『ISD個性心理學協会』を設立以降は同協会会長に就任。
現在はISD個性心理学協会の会長を勇退し、企業のコンサルティング活動や講演活動で全国を飛び回っている。

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