新連載「朔旦之辞」スタートしました!

今日からスタートするコラム「朔旦之辞さくたんのじ」。
このコラムは(一社)ISD個性心理学協会の初代会長でいらっしゃる一面 俊明先生に、毎月1日の朝に書いていただくコラムです。

今日から7月ですね。
みなさん、おはようございます。一面俊明です。
今日から毎月1日にこのコラムを書いていきますので、どうぞよろしくお願いします。
コラムのタイトルの「さく」とは、陰暦の月の第一日、つまり「ついたち」を指します。そして「たん」は、その字の形が示す通り、太陽が地平線上に現れる時、「朝」のことです。よって「朔旦之辞さくたんのじ」は、毎月1日の朝に発信するメッセージとなります。読み方は小難しそうですが意味はいたって単純です(笑)。毎月の暦に関する四方山話をしていきたいと思いますので、皆さんお付き合いください。

では、改めまして…

皆さん!(小声で)明けましておめでとうございます!

辛丑の1年が明け、早半年が過ぎました。
そう、今日は今年の後半戦のスタートの日なんです!
今年の前半あまりいいことがなかったという人も、リセットするいい機会です!気持ちを新たに後半戦をスタートさせましょう!

中晦日である昨日は、半年間の厄落としである「夏越の祓(なごしのはらえ)」が、全国の行事として行われました。半年間の心身の穢れや災厄の原因となる罪や過ちを祓い清める儀式であり、「夏越神事」や「六月祓」とも呼ばれています。厄落としの方法として「茅の輪くぐり」が行われます。茅(ちがや)というイネ科の植物で編んだ直径数メートルの輪をくぐることで、心身を清めて災厄を祓い、無病息災を願います。

日本人特有の、『節目』を大切にする心は、これからも忘れないで暮らしていきたいものですね。

皆さんはすっかり身が清められた状態で、今日7月1日を迎えられたことと思います。
2021年(令和3年)の後半も、どうぞよろしく願い致します。

7月は、十二支では、月が「午」から「未」に転ずる時です。
「未」の原字は「味」。植物の成長の過程に準えると、実った身が成熟し正に熟れ切った状態で、「食べ頃」と言う表現がピッタリの時期です。
皆さんは、おそらく今年前半頑張って来たことが実を結び、味わい深い境地の真っ只中にいるのではないでしょうか…

そしてそんな境地にさらに拍車をかける行事が、すもうすぐ訪れますよね。
そうです! 7月と言えば「七夕」…
月のリズムが「午」から「未」に変わる節入日が、今年は正に「七夕」当日なんですよ。

五節句の内のひとつである七夕は「星祭」とも呼ばれ、昔から織姫と彦星が天の川を挟んで1年に1度だけ会えるという、ロマンチックな物語で知られていますね。
こと座で最も明るい恒星のベガ(織姫)とわし座の星アルタイル(彦星)、その二つの星を分かつように小さな星が無数に輝く天の川銀河。この天の川銀河が旧暦の7月7日の頃に最も明るく輝くことから、二人の会いたい気持ちを表しているように見えると、この物語は生まれたと言われています。

そして天の川で分断された二人を、7月7日にどこからともなくカササギという鳥が飛んできて、翼を広げて橋を作り、二人の恋の橋渡しをしてくれるという何ともロマンチックな話…。
でも、子供の頃に聞かされたのは、この日が「晴れ」でないと二人は会えないという話。なんでも雨で天の川が氾濫して橋を渡れないんだとか。なんとも切なくやりきれない話ですね。(まぁ宇宙に雨は降らないでしょうが…)
そもそもこの時期、日本は梅雨真っただ中。会える確率はかなり低いですね。7月7日に降る雨を「催涙雨」と呼ぶのだそうですが、この呼び名はこの時ふたりが合えなくて流した涙から来ているそうです。
今年の予報も今のところ「曇りのち雨」。またふたりは今年も会えないのでしょうか…。
いやいや物は考えよう。雨だとしたらきっと二人は久しぶりの再会に嬉し涙しているのでしょう。

さて、七夕と言えばもうひとつ。笹飾りがありますね。
皆さんも小さい頃、短冊に願いを書き、笹の葉に吊るして手を合わせたことでしょう…。
色とりどりの短冊が初夏の爽やかな風にゆられている光景は夏の訪れを感じさせる風物詩ですね。

ところでこの短冊ですが、実際は何色あるかご存じですか?答えは童謡・唱歌「たなばたさま」の歌詞の中にあります。

ささの葉さらさら
のきばにゆれる
お星さまきらきら
きんぎんすなご

ごしきのたんざく
わたしがかいた
お星さまきらきら
空からみてる

そう…「ごしきのたんざく」とあるように「五色」ですね。

では、「五色」とは、何色のことを言っているのか、皆さんご存知ですか?

これは私の勉強会でもよくお話ししている『五行説』の「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素に由来しています。
それぞれ「木は青」「火は赤」「土は黄」「金は白」「水は黒」を表しています。
なので答えは「青」「赤」「黄」「白」「黒」の五色です。
実際には、あまり縁起の良くないイメージの「黒」は高貴な色とされる「紫」へ置き換えられることが多いですね。
※ちなみに鯉のぼりの一番上に飾られている五色の吹き流しも、この「五色」と意味は同じですね。

また、この「五色」にはそれぞれ意味があります。

「青」は守ろうとする本能。
「赤」は伝えようとする本能。
「黄」は魅きつけようとする本能。
「白」は攻めようとする本能。
「黒」は習おうとする本能。

人間の持つこの五つの本能が、この5つの色には秘められているんですよ。
(ひょっとしたら小さい頃、クリーム色やピンク色の短冊に願い事を書いたりしてませんでしたかぁ…笑笑)

更に言うと、五行説の「木・火・土・金・水」にはそれぞれ次の5つの徳、「五徳」の意味があり、「五色」にもそれぞれの徳と結びついています。

「青」…「仁」(思いやりの心を忘れない優しさ)
「金」…「義」(正義感。誠実に生きる)
「白」…「礼」(礼儀礼節を尽くす)
「黒」…「智」(学ぶ気持ちを忘れない)
「黄」…「信」(仲間を信じる)

このことを踏まえて、内容に合った願い事を書くといいでしょう。

2021年(令和3年)の後半をより一層充実した時間になるよう、短冊に願い事を書いてみてはいかがでしょうか?

不安なご時世の中ですが、皆さんの心の中だけは、どうか夢と希望で満杯でいて下さいね!

 

今月の一言

最後に、「今月の一言」で締めたいと思います。
これは偉人たちや、今を生きる経営者などが残した名言をご紹介するものです。
日々の生活のちょっとしたヒントになれば幸いです。

今回はこの言葉でお別れしましょう。

いつも太陽の光に顔を向けていなさい。
そうすれば影を見なくてすみます。
いつも真理に目を向けていなさい。
そうすればあなたの心から不安や心配は消えます。

ヘレン・ケラー

幼くして視力と聴力、そして言葉を失ったヘレン・ケラー。
そんな彼女には影はおろか暗闇しか視えません。きっと心の眼で光を感じたのでしょう。そんな偉人の言葉は重みがあります。

今月も皆さんにとって素晴らしい月でありますように!

一面 俊明

コラム執筆者 Contributors

一面 俊明 Toshiaki Ichimen

一般社団法人 ISD個性心理学協会  初代会長

1959年5月8日東京に生まれる。
1982年3月 早稲田大学政治経済学部を卒業。
1995年に『ISD個性心理学』の前身である「個性学」に出会い、立ち上げチームの一員としてこの学問の普及に尽力。
2003年2月 『ISD個性心理學協会』を設立以降は同協会会長に就任。
現在はISD個性心理学協会の会長を勇退し、企業のコンサルティング活動や講演活動で全国を飛び回っている。

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